岩手県大槌町にある「赤浜の東大」こと、東京大学の国際沿岸海洋研究センターには、全国から専門家が集まり、海の環境や生き物を研究しているそうです。
同センターの研究者が寄せた新聞記事によれば、地球上の広い海の「」の水は北大西洋の北極近くの冷たい海域で4度以下に冷され、重たくなったものが千m以上の深海に沈められて、海流によって千五百年以上かけて三陸沖の深海に運ばれるとの事です。
そうすると、三陸沖の深海にある今の水は、日本で言うと聖徳太子が生まれた年より前に、深海に沈みこんだ海水が流れ着いている事になります。そして、最後は太平洋上の北部まで流れて循環するそうです。
また、地球上の海の深さは、平均すると富士山の高さ3776mより深く、おおよそ3800mあるそうです。そんな世界環境の研究が、岩手の片田舎にある研究センターで行われていることに大感激しました。この施設の近くには、井上ひさし原作の「ひょっこりひょうたん島」のモデルとなった蓬莱島もあることを考えると、世界の海を漂いながら旅をする「ひょうたん島」は、海洋研究のために海を漂流していたのかと、納得した次第です。
これから、海のロマンを求めて沿岸地域の情報発信もしたいと思います。
(みちのく岩手事務所 佐々木 泰文)