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信州◆立科町/山を救え!鹿の食害をクラウドファンディングで【地域担当・ふるさと見聞録】

この記事の投稿者: ふるさと情報館・本部スタッフ

2016年9月1日

ここ数ヶ月、ご契約を頂いた方の年齢層が30代から40代の方が頻繁に続きました。先日はついに平成生まれの方が初成約。依然、若年層の地方移住は雇用と予算面の不安がポイントですが、購入目的がハッキリとされている方が多いのも特徴的。地方銀行の移住者応援ローンなど資金面での銀行融資の追い風も感じますが、むしろ、この家を自分ならこんな風に手直しできる。自分はこの地でこんなお店や暮らしを実現してみたい。自然の中でこういう生き方をしたい。そんなバイタリティと行動力、人生の節目を目の当たりにできるのは非常に楽しいものです。

蓼科

ちょうど本誌締切前に、湘南・藤沢より蓼科高原・女神湖に移住した渡部見さんから連絡がありました。脱サラし一昨年の冬に契約、2015年5月から営業を開始。ペンション施設を宿泊宿『B&B sora』とともにリゾートエリアの夜を灯す居酒屋『sora MESHI』まで併設。すでに地元でその頑張りが噂になっているお店の店主さんです。

海の無い信州の特徴を逆手に藤沢時代の知り合いの寿司職人を招き、一夜だけの江戸前寿司を振舞う企画も今年の夏で2回目。そんな企画のデパートのような40手前のヒゲ親父こと渡部さんから聞かされたのが鹿による山の森林被害です。

わたなべ2

なんでも長野県に生息するニホンジカが増えすぎたことから食性が変わり、蓼科の貴重な観光資源でもあるニッコウキスゲの群生が、適切な対応をした車山高原を除き、鹿によって失われつつあるといいます。地元猟友会の高齢化や愛くるしい動物の殺処分など、取扱いが難しい課題ですが、渡部さんは自ら佐久地方事務所に通い、狩猟免許を取得されたそうです。

わな

「狩猟免許初心者講習の話では長野県には今約20万頭が生息しているそうです。県では年間4万頭近くのニホンジカを駆除してますが、食肉として流通しているのはわずか5%未満。捕獲した鹿を良質な食肉として販売するには、捕殺してから2時間以内に国の基準をクリアして認可を受けた食肉処理施設で解体しなければなりません。鹿はフランス料理でも定番の食材、日本でも「紅葉肉」として知られています。ジビエ料理として捕獲した鹿肉のしっかりとした流通網を作る上で、専用の食肉処理施設を作りたいと考えてます」

渡部プラン

具体的には、排水やシンク・コンクリート土間打ちなどの水回り、間取変更などの改装の基礎工事費が250万円、その他に冷蔵・冷凍庫や室内の保冷設備、パッキング機器、解体に必要な専用設備の購入や制作に50万円、計300万円かかる費用のうち、150万円についてクラウドファンディングで資金調達を開始。クラウドファンディングとは簡単に言えばインターネットを通じた寄付行為。東日本大震災で一般的に知られるようになったと言われています。ご興味のある方、支援をお考えの方は下記アドレスまで。
(蓼科エリア担当 星野)

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A-port (クラウドファンディング)
https://a-port.asahi.com/projects/tateshinajibie/